株式会社ワンキャリア -取材メモ-

-投資のための取材メモ-

 

株式会社ワンキャリア (証券コード:4377)
 東証業種:情報・通信業    時価総額:190億円
  PER:31.65倍  PBR:6.67倍  配当利回り:0.0%   (2023/11/2現在)

直近の業績動向 (2019年12月~2023年12月予想)

成長性が期待される企業

新卒採用の成長率が高く、今後の成長性が期待される企業

決算年 売上高
(億円)
成長率 営業利益
(億円)
営業利益率 ROIC
2020.12 1,223 3.18% 25 2.00% 2.82%
2021.12 1,318 7.74% 60 4.56% 6.55%
2022.12 1,248 -5.28% 45 3.59% 5.23%
2023.12 1,269 1.66% 46 3.65% 5.19%
2024.12 1,295 2.05% 40 3.09% 4.46%


総合評価:買い

HRテクノロジーの代表的な企業

HRテクノロジーの現状と将来展望

HRテクノロジーの現状と将来展望

HR テクノロジーとは、クラウドや人工知能(AI)、ビッグデータ 解析などの最先端テクノロジーを活用して採用、教育、評価、労務管 理といった人事関連業務を効率化するサービスのことである。以下は証券リサーチセンターが作成したHR テクノロジー市場の将来展望予想であるが将来的に大きな市場となることが予想される。

当社の強みはなんといっても「キャリアデータプラットフォーム」上に蓄積された、50 万件以上 の求職者情報と 1 万社超におよぶ企業情報にあり、両者の情報は年々さらに大きくなってい くということである。

このプラットフォームを事業のベースにして中長期的に採用周辺分野まで様々な新規ビジネ ス展開の可能性が期待できる。



事業内容

就職活動サイト「ONECAREER」を運営

面接での質問など約50万件のクチコミを掲載。東大・京大生の9割以上が登録し、マイナビやリクナビに匹敵。学生は無料で使え、企業から利用料を得る。企業には求人広告の掲載、オンライン説明会、学生からの評価の分析、学生への直接アプローチなどを提供。今後は応募者管理システムなど企業向けサービスを拡充し、利用企業を増やしていく。2021年6月には転職者向けサイトの運営も開始。26年12月期売上高100億円、営業利益30億円への成長目標を優先し、同期まで無配。

キャリアデータプラットフォーム
キャリアデータプラットフォーム

ワンキャリアは、仕事選びに関するあらゆるデータを収集し、すべてのステークホルダーがデータを利用できるプラットフォームを作ることで、未来にわたって人々多様な働き方を尊重できる社会を推進。



サービス一覧

これまで可視化されていなかった「キャリアデータ」を活用し、就職・採用の意思決定をサポート。

サービス一覧

今後のビジネス環境、ターゲットとする社会ニーズ

市場の成長ポテンシャル

足元のターゲティング市場は、新卒採用領域で1,200億円、中途採用領域で6,000億円。
長期的にはキャリアデータを用いてすべての人材サービス、そしてその他領域へも事業展開を目指す。

市場の成長ポテンシャル

新卒採用領域の成長ポテンシャル

獲得しているトラフィック数に対して、掲載社数及び売上が小さく、今後さらなる成長余地が存在。

新卒採用領域の成長ポテンシャル

このような環境、社会ニーズに対してどのような価値を提供するか

ビジネスモデル

求職者の就職活動や企業の採用活動を支援。
利用されることでキャリアデータが蓄積されているビジネスモデル。

ビジネスモデル

 

同社が保有するキャリアデータには、50万件超の求職者の体験情報と1万社超の企業に関する情報が蓄積されており、求職者にとっては就職先選定や就職活動をする際の重要な情報源となる。企業にとっては、他社の採用方針や採用活動、自社の採用活動に対する求職者の評価などを把握することが出来、採用活動を円滑に進めるために役立つ情報源となっている。また、データを活用して採用計画の策定から求人広告掲載、採用管理等の一連の業務を効率的に行うことが可能なため、採用業務の効率化、DX化を進めたい求人企業にとって、豊富なデータを活用出来るワンキャリアクラウドの利用価値は高い。

「ONECAREER」の会員数増加と比例してデータの蓄積が進んでおり、同社は蓄積したデータの質・量により他社との差別化を図るとともに自社分析や競合分析といった独自の機能を提供して業界内での優位性を高めている。同社は、こうした仕組みを構築し、データを活用した事業展開をしていることが強みと考えている。



業界シェア

成長余地

大規模、中規模、小規模のそれぞれの顧客において成長余地が大きい。

契約数の拡大

 

「ONECAREER」の会員数増加と比例してデータの蓄積が進んでおり、同社は蓄積したデータの質・量により他社との差別化を図るとともに自社分析や競合分析といった独自の機能を提供して業界内での優位性を高めている。同社は、こうした仕組みを構築し、データを活用した事業展開をしていることが強みと考えている。



学生から支持を集める新卒サービス

就職活動の上方収集・選考対策ツールとして、従来の就職活動サービスとは異なる新たなポジションを確立
新卒採用マーケット内で「ONE CAREER」が急成長

1年を通して最も利用した就職サイト

競合企業

同社の競合先としては、大手就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルート、「マイナビ」を運営するマイナビ(東京都千代田区)などがあるが、求職者は複数の就職情報サイトに登録して使い分けている例が多いため同社は必ずしも競合先とは捉えていない。また、同社は「リクナビ」などの就職情報サイトに送客し、会員登録した際には成果報酬を得ているため協業関係にもある。

求人企業が自社の採用要件を満たす学生に直接アプローチすることができる新卒ダイレクトリクルーティングサービスを提供するi-plug(4177東証グロース)は、現状では競合していないものの、今後の事業規模拡大のなかで競合先となる可能性がある。

また、主に採用管理領域のDX化に係る事業を行う企業には、ウォンテッドリー(3991東証グロース)、ランサーズ(4484東証グロース)、アトラエ(6194東証プライム)などがあり、競合先となる可能性がある。



参入障壁は高いか?高いのであればその理由

高い

キャリアデータプラットフォームの構築は一朝一夕にできるものでもなく、完全に優位に立つ。



売上の計上特徴

ワンキャリアクラウドの料金体系は、求人広告の掲載やイベントへの参加募集などを行うことができるパッケージプランに、動画配信などのオプション利用料が加わるかたちとなっている。採用人数の多い企業向けのスタンダードプランは、初期費用が30万円、月額利用料が30万円、採用人数が少ない企業向けのライトプランは初期費用30万円、月額利用料10万円となっている。同社の顧客は採用人数の多い大手企業の比率が高く、スタンダードプランの利用が多い模様である。

オプションとして提供されているオンライン動画説明会には、1社の会社説明をライブ配信する「ONECAREERLIVE」、複数の企業が参加する合同企業説明会をライブ配信する「ONECAREERSUPERLIVE」がある。いずれもプロの司会者を交え、動画撮影専用のスタジオでプロカメラマンが撮影・編集する高品質な動画コンテンツとなっており、配信料は1枠100万円からである。生配信後にはYouTube上にアーカイブ動画が掲載されるため、多くの学生へのアプローチが可能となっている。

「ONECAREER」の会員数増加とともにワンキャリアクラウドの利用企業数も増加しており、取引社数(各事業年度に同社と有償取引を行った法人顧客数)は19/12期が362社、20/12期が495社、21/12期が796社、22/12期が1,491社となっている。同社と有償取引を行ったことのある法人顧客は22年末時点で累計1,853社に達している(図表5)。

利用企業の業種はIT・通信、商社、金融、小売、メーカー、不動産・建設、広告・マスコミなど多様である。



売上高・売上高利益率の今後の展望

通期売上高の推移

2018年12月期から売上高成長率(CAGR)は+45.2%と高い成長率を維持し、堅調に推移している。

売上成長率

継続利用による安定した顧客基盤

継続取引企業に対して着実にアップセルを行い、売上成長を実現。
法人取引累計者数は大きく増加。

安定した顧客基盤

2023年12月期業績見通し

大幅増収、大幅営業増益

2023年12月期業績見通し

2026年12月期に売上高100億円、営業利益率30%を目指す

サービスおよび顧客の拡大により、高い売上高成長率と高収益な営業利益率を目指す。

2026年12月期

課題とリスク

認知度向上

同社はこれまで新聞やテレビ等のマスメディア向けの広告は実施していないため、大手の同業他社に比べて認知度が高いとは言えない。既存事業の更なる拡大と競合企業との差別化を図るためには認知度向上とブランド力強化が必要と同社は認識しており、そのために広告宣伝やPR活動などを強化する考えを示している。


取材日:2023年1月23日
取材者:H.I.



ご注意
◆本レポートは、株式会社アセット新報社が、投資家への情報提供を目的として作成したものであり、証券売買の勧誘を目的としたものではありません。
◆株式会社アセット新報社が信頼できると判断した情報・資料に基づいておりますが、掲載された内容の正確性・信頼性・完全性・適合性・適時性をなんら保証するものではありません。株式会社アセット新報社は本レポートを利用したことまたは依拠したことによる直接的・間接的な損害を含むいかなる結果に対しても一切の責任を負いません。有価証券並びにその他の取引に関する責任は投資家自身にあります。